ドキュメンタリ番組「霧の王国 ナビブ砂漠」

  数日前、に見たのだけど、ほとんど雨のないアフリカの砂漠に生きる虫やトカゲなどの生態が流れてきた。共通の特徴はときおりかかる霧から水分を効率的に取り込む能力にあるという。そこまでは自然科学番組なのだが、現地に滞在している解説者が言うには、霧を予見する最良の方法は夕日頃に夕陽の周りに見えるかすかなもやもやなのだそうだ。もやもやが見えれば、早くて翌朝には霧の到来があるということである。
   このことを言語史に重ねると、今まで記紀によって太陽崇拝のorientalismが日本古来の固有の価値観だと思い込まされてきている、ことを撥ね退ける手がかりを得ることができる。というのは西方浄土信仰が仏教とのみ結び付けられてきているわけだが、実は現在のわれわれも毎日テレビの天気予報で見ているのは西の方の空の状態であって、東の空などはほとんど関心がない。このことは、地球の自転の方向が変わらない限り、太古から未来まで普遍的事実なのである。
    つまり実務者にとっては観天望気とは西の空を見ることであり、キザシというのはそのことから来てことが了解される。