2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

技術飛躍と技術公開とのバランス;アンティキティラ島の機械

昨晩のNHKで流していた「古代ギリシャ 驚異の天文コンピューター」はすごかった。アンティキテラで沈没船の積み荷から見つかった古代ギリシャの青銅製の最大で18cmの歯車をいくつも組み合わせた装置とその解析経過報告。積み荷のコインから紀元前7−8世紀のペ…

「ひらがな」か「草かな」か

今朝の朝日新聞にも日経新聞にも「最古級のひらがな出土」との見出しがおどっていた。出稿は京都市考古資料館。だが、ホームページでは「墨書土器(仮名墨書も含む)」とある。そうでしょう。「ひらかな」というのは中世以降にでてきた固有名であって、正確…

熊野坐神社と三体の月

今年の6月6日に放送されたNHKの番組で知った。ビデオは即消去が原則なのだけど、これは「くまのにますじんじゃ」という読み仮名が気になって取っておいた。家人がなぜか見たいというので見ていたら、その時にはまったく頭に残らなかった「三体の月」の逸話…

半母音、という概念

某大学の研究者のホームページに万葉集の冒頭の句の詠みをローマ字表記しているのだが、以下のようにヘボン式でも訓令式でもないローマ字が使われていた。発音記号でもないから学校国語でならったローマ字でよめる人々を対象にしているならば、反則活動だ。 …

逆語序〈懐良・良懐〉

昨晩のNHKの番組で南朝の懐良親王と明への朝貢使節のことをやっていた。そこで明の書類には「日本国王 良懐」と書いているように見えた。 さらに懐良親王の肖像画がミズラ髪の若者姿だったのも興味深い。これは平安時代のお姫様同様「△」を想起させる。天の…

『庭訓往来』余話

『リポート笠間53号』が届いて中を見ていたら、p73に『庭訓往来』の訓註をめぐって、興味深い論考がのっていた。 【無情・無生】 名前「無生」が「無情」と筆写されていたのを、そのまま「草木瓦礫のごとき」としてしまっている例が出ていた。これが誤記だ…

『太陽は東から出る;中谷宇吉郎』

近所の図書館では利用者から提供される不要本のリサイクルをやっている。今回はとくに興味深かったので引用しておく。1961年発刊。 p220 換言すれば、原子力発電を水力および火力の代用品として考えるだけでよいかという点が、大きい問題である。商業ベース…

ダイダラ坊と虎塚古墳

夏ごろから、常陸の7世紀前半に作られたという虎塚古墳の見学をしたいと思っていて、秋の公開初日に行ってきた。同じ見学グループになった水戸から来たというご夫婦が親切にもダイダラボッチの像のある大串貝塚公園まで車で案内してくださった。 『常陸国風…