2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

二詞文と宣旨体

現代日本語の基本文型は「三詞文」だ、と自分の中で決着がついてから、再び、「二詞文」ということを考えてきている。もちろんひっかっかっているのは「桃尻訳・枕草子」である。なぜ橋本治は三詞文を正訳としてはしりぞけたのか。当然二詞文でなければなら…

ざれ歌「本郷も、かねやすまでは、江戸のうち」

これに語末形態素群をつけて文語風のものと重ねてみると・・・・ ・だ/です/でした ・である/であった ・にある(なり) ・のようだ(らし) ・といわれている(と聞けり) ・というべきである(たるべし) ・というべきであった ・だったり、でなかったり …

連辞、はたまた繋辞

今まで「質量/重さ」「主題/主語」についての辞書や文法家の方針に異議を唱えてきたわけである。これらを〈政治term〉と名づけている。最近、「連辞」にかえて、しばしば用いられるようになった「繋辞」も〈政治term〉であるように感じていろいろ考えてきた…

『カラマーゾフの兄弟』と『薔薇の名前』と

『カラマーゾフの兄弟』と「曽我兄弟」とを対比したら、〈の〉から〈からの〉を導くことができた。それでは『薔薇の名前』と対比すると何がでてくるだろうか。 これは12世紀ごろには有名になっていた暗喩だから、『徒然草』の序段どうよう、わかりにくいよう…

『カラマーゾフの兄弟』と『曽我物語』と

某雑誌に『カラマーゾフの兄弟』の題名を論じたエッセーが掲載されていた。日本語の「曽我兄弟」には〈の〉が入らないのにこのロシア語の翻訳小説には入っているという対比から始まっていた。言いだせばきりがないけど、やはり翻訳小説の題名では定着したも…

助詞〈は・ば・わ〉

以前ソシュールの研究者の小林英夫氏が主格の〈ワ〉を使っていたのを思い出した。出典を確認できていないので、もしかしたら他の人だったかもしれないが、現在の正書法は係助詞〈ハ〉と条件節詞〈バ〉の弁別しかしていないのだが、思惟文における「人称主語…

母音韻対〈お・あ〉;格助詞〈を・わ〉

久しぶりに全くの初学者を教えることになって、非動詞文型のおさらいを自分自身でしていたら、不思議なことに気づいた。数年前までは考えもしなかったのだが・・・・・・。それでドリルに整理してみた。 (1)動作を行うのは誰か。 a 先生、質問ワ、いいで…

「不法投棄禁止」

地域日本語ボランティアのブラッシュアップ講座で、外国人にとっての切実な漢字はなにか、という問題をだされた。一番さきに思いおこされるのは、警告文。ということで周囲を見まわしてしてみると警告文の多いことに、あらためて気がつく。 法律的に禁止され…