2018-01-01から1年間の記事一覧

北斎の『百人一首姥がゑとき』は本当に27枚しかないのか?

2018年3月に上梓した拙著『狂歌絵師 北斎とよむ古事記・万葉集;批評社』 「サブタイトル;北斎はどのようにして百人一首を27枚に要約したのか?」 について、本書は北斎の錦絵は現在見つかっている27枚をもって完成したシリーズとみるべきと主張した。 だが…

百人一首抄(宗祇抄)から堀河院御時百首和歌へ

拙著『狂歌絵師北斎とよむ古事記・万葉集』で参照してきた『百人一首抄(宗祇抄) 吉田幸一編 笠間書院(1969)』に対してほぼ50年ぶりに別系統の影印本が出たので比較してみた。 予想通り、両書の仮名遣いが異なる。というのは笠間書院のは印刷本だから江戸…

未通女と處女

拙著『狂歌絵師 北斎とよむ古事記・万葉集』で「處女・未通娘」の語義解を行っている(p174、180)が 私が若かったころの女性の初潮とひきつづく月経について風俗に変化が起きているようでいて起きていないようでもあるので、『生理用品の社会史;田中ひかる…

ロムルス数とヌマ数とユリウス数

拙著『狂歌絵師北斎とよむ古事記・万葉集』の論考の土台となった数章であるロムルス暦とヌマ暦についてwikiで混乱があるようなので執筆時に参照した国立天文台の現在の記述をコピーしておく。 ロムルス暦 ロムルスはローマを建国したとされる伝説の王です。 …

小倉百人一首・百人一首抄(宗祇抄)・百人秀歌

拙著『狂歌絵師北斎とよむ古事記・万葉集』ので参照してきた『百人一首抄(宗祇抄) 吉田幸一編 笠間書院(1969)』について、本文での記述を編集の過程で削除した結果、参考文献にも掲載し忘れたのであるが、三弥井書店から別系統の伝本の影印と解説『百人…

西洋修辞学でいう交差配語法について

「説文解字・六書」の解読法;http://d.hatena.ne.jp/midoka1/20171230」の続き 日本語ネイティブではない日本文学研究者の和歌観を知りたいと思って『心づくしの和歌;ツベタナ・クリステワ;2011』を手に取ってみたが、題名の通り日本人読者の期待を裏切ら…