2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

あとがき・極め付き・幕開き

どこかのブログで、文化庁が〈きわめつけ〉〈まくあけ〉は間違っていて、正しいのは〈きわめつき〉〈まくあき〉だとNHKを通して民衆教化に乗り出しているとか、と書いてあった。そのブログの主題は事例の問題ではなく方法論だったので、そのままにしておいた…

HALLOWEEN;ホネとミと

これはもともとはヨーロッパのお祭りだったようだが、現在は北米大陸で盛んに祝われている。クリスマスについで、お菓子の売り上げマークする日でもあり、レストランにとってもなくてはならない日のようである。そのためか、日本同様、お祭り日から、月齢は…

学力テスト問題の問題

これはテレビを見た心象の報告なので、あまり正確ではないが、こういう問題に関心のある方向けのメモ。ニュースで紹介されていたのは図示された、二つの公園のどちらが大きいかを問う問題で正答率が2割を切っていた。それゆえ知識ではなく考える力が不足して…

「メガネをかけた人」;事実文と判断文

ようやく、デカルトのテーゼ「原因の認識は結果の認識から導かれる」を、日本語の成り立ちと重ね合わせて考えることができるようになった。プロフィール欄にまとめたように同主語複文では動詞の語末形の連用、已然、連体の三つのカタチによって、〈動作の順…

擬逆語序〈已然・然聢〉と〈おと音ね〉と

ようやく宣長の『真暦考』を読み始めた。そこですぐ気がついたのが〈然〉の多用。以下。 ・然るべきわざなり ・然定めつる物ならむ ・然有しこと ・然あり来ぬる事 ・かならず 然して定むる ならいなり しかば、 ・仮名書には おほく 然 書(け)り 気になっ…

「メガネをかけた人」;複文

以前、「メガネをかけた人」の記事で、上記の句を考察した時には以下の両単文を中心に行った。 A1)あそこの、めがねをかけた人です。 A2)あそこの、めがねをかけている人です。 最近複文中の動詞の終止形について考察を行ったので、「〜した」「〜している…

コンスタンチヌス帝の右目

今見終わったBS朝日の「BBC地球伝説」の背景に、コンスタンチヌス帝の頭部彫像が出ていた。 ・一つ目は〈右目の瞳が三日月の(形 〉〈左瞳が六弁か八弁の花〉 ・二つ目は〈両瞳とも真円のくぼみ〉 それにしても両像とも巨大で、脇に掌の彫像も見えていたから…

重畳語彙〈これはこれは・それはそれは〉

久しぶりに『日本語文法を考える;大野晋』をめくっていたら、〈それ〉の第一義が〈我と汝とが既に知っているもの〉と捉えるべきであると出ていた。〈こ・そ・あ〉の三元系を無前提に肯定しないという点では賛成なので、違った角度から考えてみる。それは重…

「カセット効果」と動詞の終止形

ある雑誌に、大学の先生が留学生に異議申し立てをされたことについてのエッセーが載っていた。それによると日本語では(1)は、文法的にも意味的にも問題がないのに中国人の学生は納得しなかったとあった。だが、私にはこれは、柳父章氏の「カセット効果」…

『我輩は猫である』 ;漱石の型

明治38年にこれを発表して、39年に『坊っちゃん』『草枕』を上梓して、不惑の歳にあたる明治40年には一切の教職を辞しているから、この3点は一所に置いて、一緒に考えていくという読み方もあると思う。文庫本の解説は、漱石の時代の〈地〉として、西洋と日本…

『蓮と刀』 ;蓮根か LOTUS か

最近、刷り増しが流通しだした『日本人の行動パターン』というルース・ベネディクトの軍への報告書を核とする文献を見ていたら、『蓮と刀』が、『菊と刀』のアメリカでの出版社側の当初の仮題であったと書いてあった。もちろん、橋本治の『蓮と刀』のいくつ…

キーワード;日本語の成り立ち

プロフィール欄に、ここまでの中間総括をまとめておきました。以下。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 度量衡(weight and measures)逆文序対;〈動作の順逆〉・手を洗って、ご飯をたべる。 ・ご飯を食べて、手を洗う。_______;〈祝言・呪咀〉 ・I am lonely …