2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

修験道と身体性

今まで、日本史の中でわからなかったのが、この「修験道」というキーワードだったのだが、偶然本屋で『石の宗教』という学術文庫を見かけて、読んでいろいろなことがわかった。著者は「五来重」。柳田國男の娘婿の堀一郎と若い頃からよきライバルだったとい…

「日本が未来を託す/外務大臣の生活と真実」

5月25日の朝日新聞に載っていた『ゲーテ』という雑誌広告の中に上記の見出しがあった。私は一瞬、と理解したのである。だがこれはがになるという、という解釈もありえるし、それが旧来の文法の前提にあった。もちろん、現在は〈日本の未来〉という用語が定着…

龍は左回り

なんとなく日本を取り巻く龍図を見慣れてしまって、古事記の〈右回りが正しい〉とか、四国八十八箇所めぐりの絵図が頭には入っていると、〈伊勢→宇佐→キエ→鹿島〉という回り方が以外が思い浮かばなくなる。だが、素直に図を見れば、龍は左に回るしかない。 …

山姥と金太 そして・・・・

必要があって、図書館に『武家の女性』を借りにいったら、隣にあった森下みさ子氏の本の中に有名な浮世絵っぽい「山姥と金太」が載っていた。当然山姥が向かって右側、つまり〈卑〉。五月五日の金太の絵は向かって左が龍のメタファでもある「のぼり鯉」。つ…

男女神と〈夫婦めおと〉

イザナギと左右関連の続き。 以下の仮説も悪くはないが、新説を。 http://d.hatena.ne.jp/midoka1/20060924 御柱と男女神と人々の三者の位置の設定の仕方によって、〈主ぬし〉と〈主あるじ〉を識別することができることに気づいたのは武家政権ではなく藤氏か…

聖母子像

気になったので、ダ・ヴィンチと中世の聖母子像を家にある美術全集でチェックしたら、ずべて、聖母マリアが向かって左側であった。間に出てきたアダムとイヴの絵では当然、アダムが向かって左側。 女王ネフェルティティの時代はかなり男権が大きくなっていて…

女王ネフェルティティの左目

昨夜のテレビで見たのだけど、砂の中から発見された彼女の彫像の左目は真っ白だった。『ウィキペディア(Wikipedia)』によると右目は石の象嵌なのに左目は彫った跡もない未完成品という。テレビでは、その後彼女の治世そのものが義理の息子によってほぼ全面…

「僕が、継いでいく心」

五ケ月ぶりに新宿の地下道を通ったら、読売新聞社による伝統文化支援広告の上記題名のコピーが依然として飾ってあった。以前にもひっかっかっのだけど、今回少し考えてみた。子供の歌舞伎役者の顔写真と共におかれたコピーであるから、当然、子供の気持ちを…

〈二字漢字語〉という呪縛

理科教育のことを勉強しているときに、先日書いた、〈重さ・重たさ〉のような対語をつかえば、難なく日常語で意味が通る文章を書けるのに、どうしてそういう工夫を専門家はしないのかと不思議に思ったことがある。以下。 〈重力量weight・重さ量mass〉と〈重…

葛飾北斎の「虎と龍の図」

昨晩のNHKで北斎の龍虎図を使ったクイズ番組が再放送されていた。初回のときも違和感があったのだけど、今回少し考えてみた。実は龍図の方は長らく行方不明で日本では虎図しか知られていなかったのが、フランスのギメー美術館の蔵で対の龍図が見つかって、今…

〈左右・さゆう〉と〈右左・みぎひだり〉

日本におけるの図像象徴を考えていくときに大事なのが〈左右・右左〉なのだが、いつまでたっても頭の中がゴチャゴチャなので整理した。カレンダーから金太と立ち雛の図を。雛の図は『ウィキペディア(Wikipedia)』を見る限り明治時代以降の習俗ということに…

「日本語は人造語だ」

日本語の重要性というか、私の中にある「死角」に気がついたのが2005年ごろで、昨年あたりから、度量衡のような専門用語には、民衆に普及するのに効率的かつ合理的な造語法があったのではないかと考え始めた。今までにやっと 4つばかり姿が見えてきた。以下…

質量の概念

先日、新聞を見ていたら〈質量〉という言葉が出てきたのだが、それが丁寧に「質量(重さ)」と記述されて、とてもうれしかった。それで、思い出したのが『ウィキペディア(Wikipedia)』の「質量の概念」の項の記述を訂正した方がいいと思ったことがあったこ…

『構造統語論要説』

フランス人でスラブ語の研究から出発した1893年生まれのテニエールの仕事を後継者がまとめた、1959年に出た初版の改訂版である。 ■主語 〈構造〉という名のとおり〈主題〉という語彙は影も形もない。目次に出ているのは〈主語〉と〈述語〉のみ。 ただし、そ…