2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『ことばは生きている』の第5章

『ことばは生きている−選択体系機能言語学序説』の第5章は、について、と訳出した上で、英語においても日本語教育学の従来の主張が普遍性を持つかのようなイメージを与えることに成功している。しかし本当にそのようなイメージに幻惑されてもいいのだろうか…

『ことばは生きている−選択体系機能言語学序説』

著者の一人、角岡賢一氏は『オノマトペア』の中で非常に鋭い分析を行っていたので、その後の仕事を見たいと思ったのだが、この本の情報しか手に入らなかった。日本語で書かれてはいるが、例文は英語だし、偉大なるHALLlIDAY先生の保障書付の書物である。だが…

音韻

4月17日の朝日と読売の朝刊に宮崎県知事の別々の著書の広告が載っていた。この事実もスゴイ(決して肯定的意味ではない)が、明治期の日本が生み出した大発明の一つであるの問題としてみると興味深い。朝日新聞には、KKベストセラーズの広告がで、読売新聞に…

音韻対〈よ・や〉

母音屈折対〈お・あ〉ルールが日本語音韻の古層にでんと横たわっていることは大野晋氏も指摘しているわけだが、現在に残る、その中核をつかみかねている。ただ、正式な発語法では神への呼びかけは〈よ〉で終わり、上から下への呼びかけは〈や〉でおわる。だ…

失われた世界;〈コト〉〈モノ〉

思考実験の続き ■[後置辞・終助詞] コト文 モノ文 [こそ] 義経がミコトこそ、我に、課せ。 義経がミガラこそ、我に、課せ。 義経がミコトこそ、我が課せ。 義経がミガラこそ、我が課せ。 コト文 モノ文 [をば] 義経がミコトをば、我に、課せ。 義経がミガラ…

直示法;〈について〉〈を〉〈が〉

思考実験のひとつです。 直示文 中間文 一般文 ○私、この道を行きます。 ×私、道を行きます。 ○私は、道を行きます。 ○私、この道について行きます。 ×私、道について行きます。 ○私は、道について行きます。 ×私、この道行をします。 ○私、道行をします。 ○…

音幻〈KIOSK〉

新聞で知ったのだけど、旧国鉄の駅の売店の名称を「キヨスク」から「キオスク」に正式に変更する動きがあるらしい。当初、「KIOSK」を「キヨスク」と読ませた理由については、当事者である旧鉄道弘済会が〈清く〉〈気安く〉のイメージを付加するためだったと…

「ODA予算 3位転落」

広辞苑には「転落」の意味が三つ出ている ①転がり落ちること ②落ちぶれること ③堕落すること さらに用例のトップに「首位から転落する」があがっている。googlで検索するともちろん最初にあがってくるのは物体の転落で、二番目が企業やスポーツ団体の首位か…

日本語の主語;「おひさしぶり」と「ごぶさた」

日本語教育の勉強を始めて、最初に出あったのが、水谷御夫妻の著書で、実際のボランティア・クラスでは高柳和子さんのご本を使うことになったので、私の経験は多くの日本語教師のものと少し異なっている。というのは両方とも survival Japanese を第一にして…