五行と五色と五母音

    少し前にテレビを見ていたら野宮神社のことをやっていて、女房言葉というか忌み言葉のことを紹介していた。一つは「血」のことを「あせ」、もう一つは墓のことを「つちくれ」というのだと。コレでようやく上の三つがつながった。すなわち

          あて字   段名
    すい   すき     キ段
    あかい力   kaka   火力   カ段
      あかいせ   あせ      
      ※;メメ     ケ段
    こん   ◇王 王工   コ段
    つちくれ     クレ!   ク段

   「は行」にからむ「木」と「キ」にからむ「木」の区別が出来なかったので、ずっともやもやしていたけど、
「木水」の形は同じっていえば同じだから「水→キ」に関連づけて「木→※」のような賑やかな形に関連づければいいのだ。フー!
   これで五段の深層に「イ・ア」「エ・オ」の両対があるはずだという感覚を少し形式に落とし込めた。
    そして「ウ段」が最後に成立しているはずだ。それが動詞の活用形で、ここから日本語も一丁前に屈曲語の仲間入りをした。もちろんギリシャ語にくらべれば無いに等しい屈曲だけど。


【墓・つちくれ】の補足
   これはまず「吉」を仮構する。
そして「古」「台(室)」と対比する。

「吉・古」からは「動き・動きなし」が、
「吉・台」からは「人為の土倉・天然の洞穴」が導かれる。

そこに、いつ頃から始まったのかわからないが当然
「吉凶」の対義もあったはずだから、そこから
「土つち口くれ」という呼び名は問題なしとなる


【王工コ】について
   賀茂真淵の『語彙考』では「え延」「お猿の旁」を当てているので、有名な「お・を」だけでなく「お・え」についても仮構段階では弁別が容易でなかったと考えておくべきだ。あるいは逆に上のような今回の仮構を導くことで、私自身が『語意考』を見ていて感じたことが意識に上ってきたともいえる。





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