『持統天皇歌軍法;近松門左衛門』

謡曲「蝉丸」のことを調べていたら、近松にも同名の作品があるということで図書館で探していたら、万葉集28番がらみの作品もあることが分かった。 
近松物語;渡辺保 2004』
内容は、継子の春彦の尊、第一皇子と実子夏仁親王のどちらを皇太子にすべきかの迷いから起きたドタバタ劇。鉤になるのが夏仁親王のお妃候補の土着民のむすめ長歌という名の娘。最後は万28の歌の呪力によって夏仁親王側の勝利に終わるというもの。
著者はこの話全体が天皇制をめぐる血統主義の神話と対する武家側のプライドの絡み合いと見立てている。