天の江ノ島

midoka12013-02-11

     最近夫婦で暇が出来たので近くの鎌倉へ散歩に出かける。昨年だったか、そういうおりに、「葉山の桜山古墳にはぜひお出かけください」という方がいて、ようやく出かけた。それが実は関東随一の前方後円墳だなどということはまったく知らずに・・・・・・。まあ、行ってびっくり、見てびっくりである。しかも推定建造時期は4世紀だという。
      古墳そのものは「長柄桜山古墳」としてwebにでてくるから、そちらに譲るとして、ここでは2点ほど。

【長柄】
     古今集仮名序からいえば「ながら」。だが、アヅマヱビスの地では「ながえ」。さらにここには「KIOSK」の読みと同じく二重母音問題が潜んでいる。「キヨスク」が正しいとすれば「ナガヱ」であるべきだ。
    「半母音、という概念 http://d.hatena.ne.jp/midoka1/20121122
    「音幻KIOSK http://d.hatena.ne.jp/midoka1/20070406


【天の江島】
    さらに天候にもめぐまれ、右上のような写真が得られた。もちろん私はどちらかというと頭に固有名をぎっしり詰め込んでいるほうだから「下が江の島」「上が富士山」と入試でペケがつかないように正しく名前をいえる。だが、実際に光景をみて、同じ光景を見たであろう4世紀の人たちのことを想像していくとその形の相似から「天の江ノ島」と呼んだとしても不思議でないと思えるようになった。
    だとすれば「天の香具山」も実際には別の皆が知っていてなじんでいた山の名を転写したという可能性を導くことが出来る。万葉集古今集も好きでないのは随所の「わけのわからない固有名」が出てくるからなのであるが、「高山」と「天の香具山」を結びつけるロジックを導くことができれば、ぐっと身近に感じることが出来ると思う。その糸口の糸口がみえた、古墳の地は生涯忘れられない思い出の地となるだろう。


    それにしても、古墳からのこの眺めにたどり着いたのは見知らぬ同好の方の一言だったのである。まさに「一言主」である。さらには、発見の経緯をしると、それは一人のアマチュア考古学者の執念というか鬼気のようなものを感じる。とすればこの方こそ「大物主」にも準える事がふさわしい。その名前は東家 洋之助さん。
        http://www.townnews.co.jp/0503/2007/06/29/25441.html
      現地には国指定遺跡になる前に市や県の教育委員会がたてた、手書きの木の札が立っていて、そこには氏名が書かれているが、最近文科省がたてた金属のプレートからは名前が消え、印刷媒体でも「ある個人」となっている。ヤマト王権が各地の地名や人名を消して記紀を完成させた道筋を髣髴(ほうふつ)とさせる。







================-