延約略通

   『本居宣長小林秀雄』を読み始めた。数年前とちがって、するすると読める。ところがここで、仰天事項が。今頃言わないでよー、と言いたいことが。ようやく作り上げた「膠着語・屈曲語」を総合した四字熟語「伸長屈曲」がいともあっさりと上記熟語で示されている。(p215)
  音韻理論のほうで詳細な検討がされてきているらしい。参考文献として『古事記伝解題;大野晋』があった。ここから『日本語練習帳;大野晋』に出てくる読解学習のかなめの「縮約」という用字の根拠をうかがい知ることができた。とすれば、上の四字はさらに、16字よりも多い字でできた大畳語へと展開しておく必要があることになる。以下。

1、延伸(伸長)・屈曲(曲庇・非道・道理・理非)
2、縮約・補筆(約定補弼)
3、大概概略・詳細細密
4、挙措・疎通
5、接合膠着・劈開脱落


さらに、重畳語を展開したものからいくつか拾っていくと
6、畳み込む・畳みかける
7、重ねる・連ねる・連ぬく(連句
8、笠さ・廉・貫き
9、変更更新・新規一転


算数用語も思い出しておくと
10、拡大縮小(遠目がね)
11、通分・約分


最後に畳語(二字漢字語)から
12、通辞通訳
13、措辞措定
14、約定・約束
15、楚辞・十辞
  (聖徳太子が聞き分けたのは倭人10人ではなく楚辞のような10の外辞を聞き分けた。つまり通辞が不要だった、と解釈すべき、ということになる







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