「変」を使った熟語(その2)

一晩寝たら、考えが変わった。
やはり「大」の字は余計で四つの逆語序対を抽出するべき。
1、変態態変
2、変体体変
3、変形形変
4、変異異変


1、の「変態」は学術用語 transformation の訳語として生物化学で採用され、それが心理学をとおして変態性欲などの語として流通した結果、異常 abonormality や perverted の義で使われている。他には「変質者」などもある。
  だが、生物化学用語では本質あるいは本体は不変の義が強い。蝉が空蝉になっても、本体はどこかへ飛び去っただけで、翌年には蝉が生まれてくる。結晶構造というものは容易に変換できる。代表例が弁柄で黄土を焼成すると赤い弁柄ができる。弁柄も風化すれば黄土に戻る。


2、の「変体」は代表例が「変体仮名」で見た目が違っていることに注目した用字。だが、これは六書の二で「体随詰誳」として出てくるから国語では重要な用字。


3、の「変形」は操作という人為である事とその経過である義が強い。例は「数式の変形」。結果を強調するときには「数式変換」


4、の「変異」は「異」には「異国」「異常」の義があるから、これだけが「大変」なことに相当する。対義熟語では「異常常態」「異体常体」がある。


なお、ここの文だけで「かわる」にも「代わる・交代」「変わる・変化」「とり換える・変換」の三つが出てきている。




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