子育てとdual meaning

孫は近くの民間が経営する認可保育園に通っていて、そこでは2歳児クラスから「ハロータイム」という英語教育プログラムが週1で行われている。
それで家でも数を覚えるのに日英語で練習している。
まだ両手の指で「7」を作る練習もしているのだが、面白いことに気付いた。
指を9本出して「nine」、といってから両手を隠して「ない」というとすごく喜ぶのだ。
つまり三歳児にして誹諧のセンスは大ありということだ。


それで少し子育て中の事件を振り返ってみた。


まず、長男が小学校にあがって最初に上級生に遊んでもらったのがダジャレ遊びで「車は急にとまれない」というものだった。交通安全の相言葉を「9番のゾーンには駐車不可」とかけたものだが、我が家ではオトーサンは古典落語の蘊蓄では相当頑張るのだがオヤジギャグは嫌いで、そういうたぐいの会話がなかったから、長男にはそうとうインパクトがあったようで後々まで繰り返していた。

次がこれは兄妹とも気にっていた『おかえし (こどものとも傑作集) ;村山 桂子 』という本をしつこく読まされたこと。
森の中に住んでいた狸の母子の隣に狐の母子が越してきて、引っ越しの挨拶をもらったお返しからお返し合戦がはじまる。何回も繰り返して、そのたびに「おかえしのおかえしのおかえしの ・・・・・・  お返しです」といわなくてはいけない。
そして驚くべきことに二人とも正確に繰り返された「おかえし」の数を認識しているのだ。
だからこっちがうっかり少なく言うと結構本気で「ちがう」と怒るのだった。
少したってからは、ニヤッとしながら数を間違える、という遊びをするようになって、二人とも私の表情を見ながら本気で怒るべきかどうか思案するようになっていった。

最後は絵本「のんたん」。
これは以前「クレヨン・ハウスとノンタンhttp://d.hatena.ne.jp/midoka1/20150501」でとりあげた


この本がなぜ1〜2歳児に人気があるのかと考えていくと、
これは「自他の差異」の解説書だからだ。


そう考えると
「おかえしのおかえし」は状況の差異で
「車はきゅうに止まれない」は文脈の差異。
そして「nine・ない」は形象の差異ということになる。