母語か母国語か(その4);クイア理論という奇妙な用語

SNSで「クイア理論」という耳慣れない用語が出てきたのでwikiで調べたら以下の文が出てきた。

思想的な背景;クィア理論の誕生に大きな影響を与えた思想家の一人がジャック・デリダである。脱構築によって、音声言語 / 文字言語、男 / 女、人間 / 動物、文明 / 野蛮などの二項のうち、前項が優位に立ち、第二項がそれを補っているとするデリダの論に大きな影響を受けている。

だが、音声言語を父に、文字言語を母に関連付けるというのでは日本人の問題意識とは離反してしまう。
だが、音声言語を父に、文字言語を母に関連付けるというのでは日本人の問題意識とは離反してしまう。


これはすでに論じたように「母語・母国語」から詰屈した「母語mother tangue・国語native langueage」の対語を使うべき。
http://d.hatena.ne.jp/midoka1/20110531


母語というのは乳児期から始める状況依存の音声言語で、代表は「イナイイナイ、バー」
国語というのは文字の習得を伴う読誦言語で、こちらはその本文に関する文脈の説明とともに習得する言語。

両方とも状況ないし文脈に依存した言語なのであって、音声と形象の片方だけには関連付けることはできない。