はやし言葉〈すりすり〉

   機会があって韓国映画「丘をこえて」をみてきた。中で「ありらん、ありらん、すりすり」というのが出てきて思い出したのが、去年見た沖縄映画「ナミィと唄えば」。やはり囃しの部分に「すりすり」が出てきていた。
  現代日本語では音韻「すり」は卑音だ。〈すりよる〉〈すりあし〉〈ごますり〉〈犯罪スリ〉。料理の世界では〈すり鉢〉で調製しても〈あたりごま〉と呼ぶ。それで去年違和感を感じたのだがそのままになっていた。ここで音幻の世界に入ってみよう。

まず正音は
掛け声なら〈それ、そら〉がすぐ浮かぶ。
  ・「それ、なげるぞ」
  ・「そら、うけとれよ」
onomatopoeiaからなら
  ・すらすら、事がはこぶ
  ・するする、問題が解ける
  ・すれすれ、セーフ(卑音っぽいけど)
民謡までいくと「ソーラン節」「スーダラ節」となる。
  ・「ヤーレン、ソーラン、ソーラン・・・ハイハイ」
  ・「すーいすい、すーたららった、すらすら、スィ」

  というようなことを考えていたら、11日の朝日新聞の夕刊に素数論の研究者加藤和也氏による「素数の歌」というのが載っていて,「ラ行音音頭」になっていた。面白いのでコピーしておく。
    素数の歌は とんからり
    とんからりんりん らりるれろ
    耳を澄ませば聞こえます
    楽しい歌が聞こえます


    素数の歌は ちんからり
    ちんからりんりん らりるれろ
    声を合わせて歌います
    素数の国の愛の歌


    私なりにまとめると・・・
       素数って、
       分かっ時にはトントン分かっけど、
       分かんない時はチンプン、カンプンなのよ。


■そうそう、偉音の方も忘れないで思い出さなくちゃ
    ・仏教;手をすり合わせて拝む
    ・神式;拍手をうつ
    ・キリスト教;手をあわせる
    ・イスラム教;手をひらく(?)
    ・五体投地:手も投げ出す