「南太平洋のブンラップ村   5」

 今回は村長の一人が位を上がるための儀式が中心だった。基本的考え方は〈多く振舞えば多く偉い〉。中心になるのが供犠の豚の数。今回は20匹が目標で自家飼育で足りない分は親戚からの寄付やタロイモや女たちが3週間かけて織るという茣蓙との物々交換で調達するという。どうやら一番偉いのは大村長で、これは家柄や相続財産がないとなれないようである。
  今までも〈豚〉が登場していたが、今回はすこし詳しい説明があった。豚といっても猪のように牙があり、それがマンモスのように曲がっていくので年老いた豚には円形の牙が生じるようで、それを切り取って胸飾りにして男たちの地位をあらわしていた。今回の主役は二つ身に着けていた。大村長は12個もつけていた。日常これを殺して食することはなく、あくまで祭りのご馳走になるという。そして価格は大きい豚が女たちの3週間の労働の結果である茣蓙4枚と決まっているようである。
(国はバヌアツ共和国と出てきていた)