抉りと刻み (その二)

 BS朝日で「エイプマン」のシリーズが始まった。学校でならった「アルタミラの洞窟」と同じ時期の岩絵には線や点による格子が併記されているものが多くあるらしい。今晩の番組では、これをアフリカの部族の集団トランスやアメリカの催眠療法におけるトランスと関連付けていた。とすると・・・・。
①脳のコラムそのものの一種の投影図とも考えられる。
②英語辞典で〈はんてん斑点ぶち〉を引くと〈speck〉が出てくる。学校英語だと〈dot〉〈grid〉しか浮かばないが、英語では斑点の第一義が「見える」ということである。
③奈良の鹿の斑点も気になっていたが、古代の人にとって、動物の皮に現れる斑点は現代のわれわれが考える以上に大きな象徴性を担っていたのかもしれない。
④鹿の象徴性が角だけでなく斑点にもあったとしたら何故京都に鹿はつれていかれなかったのだろう。学校では仏教と縁を切るために平安遷都が行われたと習ったが、むしろ牛車など、インドの文物は広まっている。本当は古代の日本の呪術や宗教を一掃するのが平安遷都のもう一つの狙いだったのかもしれない。
⑤『ダ・ヴィンチ・コード』の読みすぎかもしれないが、ディズニーの『白雪姫』は確か鹿に乗って森まで連れて行かれたはずだ。そうだとすれば騎馬民族によってユーラシア全土が席巻されるまで鹿こそが現在の馬の位置を占めていたのかもしれない。
⑥とすれば「趙高の馬鹿の故事」も官僚制批判だけでなく、実際の歴史の転換を記録していた可能性も否定できなくなる。