穏当;〈適当〉の続きのつづき

さらに一晩あけたら、〈穏当〉という言葉がうかんだ。これで一件落着といきそうだ。
かつて、〈穏当・適当〉という対語が機能していた時代があって、その時分には、〈適当=客観判断〉が成立していたのであろう。だが〈穏当〉が死語になれば〈適当〉も意味不明にならざるをえないのである。それにしても客観判断のほうの〈適当〉の方が意味の振幅が大きいことである。権威だけがあって、もともと頻用されていたなかったのではないだろうか。


・適当な答え(right answer)
・穏当な答え(当らずとも遠からず)


・適当に答える(いい加減に答える)
・穏当に答える(上手に答える)


・答えは適当である。(中庸)
・答えは穏当である。(中庸)


・答えは適当でした。(意味不明)
・答えは穏当でした。(意味不明)