『賢い身体 バカな身体』

    久しぶりに、棚の整理をしたら、3月30日の新聞の書評記事が三つほど出てきた。一つがこれで栗原彬氏の文章(神奈川新聞)。京都中心史観によって日本思想の中核は〈場・トポス〉であるとのマインドコントロールが長くまことしやかに伝達されてきたのだが、ここにはそれを撥ね退けていく記述がある。メモしておこう。

甲野は、エネルギーを空間的にとらえて、エネルギーを拡散させながら、身体全体のネットワークを集中的に動かす、という。
桜井は、相手の力をもらって返す感覚で、次々と流れをつなげていくという時間的な身体の動きのとらえ方をする。


  ついでに、読売にあった『江戸の知識から明治の政治へ』についての書評では、「文明」「封建」などの概念語をめぐる近世から昭和にいたるまでの違和感や恣意性を分析しているという。内容は不詳であるが、興味ふかいことは確かだ。