桜の花が散っている

   おなじく『複数の日本語』には上記の例文から始まって標準語は二項対立だが宇和島方言は三項対立なのでグローバル・スタンダードに近い、というようなトンデモ記述がある。宇和島方言も英語も不得意なので日本語教育体系の中から関連する部分を取り出しておこう。なんせTOEICでは790点をマークしたものの、最近友人と読み始めた "The last English king" ときたら一行に二語は知らない単語が出てくるということですっかり自信をなくしているのである。もちろん日本語教育の勉強をはじめたらチンプンカンプンだったのであるから日本語も自信があるわけではない。
    だが、5年以上まじめに苦労してくれば見えてくるものがある。

大事なのはまずは助辞対〈が・を〉で、
次に語末辞の三つの二項対立〈てくる・ている〉〈ていく・ておく〉〈てしまう・てある〉。

例文は以下。

猫が あがってくる あがっていく あがってしまう
あがっている あがっておル あがってそこにある 猫がいる
猫を あげてくる あげていく あげてしまう
   あげている あげておく あげてある
家が たってくる たっていく たってしまう
たっている たっておル たってそこにある 家がある
家を たててくる たてていく たててしまう
   たてている たてておく たててある
道が とおってくる とおっていく とおってしまう
とおっている とおっておル とおってそこにある 道がある
道を とおしてくる とおしていく とおしてしまう
   とおしている とおしておく とおしてある
道を とおってくる とおっていく とおってしまう
とおっている とおっておく とおってある コノ道ハとおったことがある
猫が とおってくる とおっていく とおってしまう
とおっている とおっておル とおってそこにある  cf コノ道ヲ猫ハとおってイル/イナイ(過去の事実)
花子が               
     とおってオル/オク          cf とおってイル/イナイ(過去の事実)
花子にハ               
(ヲバ)      とおらせてオル/オク         cf とおらせてアル/ナイ(過去の事実)
花様が こられる いかれる しまわれる
おられる おかれる あらワれる
花様を     しまわれる
     おかれる あらワれる
花様に こられる いかれる しまわれる
おられる おかれる あらワれる
段が あがってくる あがっていく あがってしまう
あがっている あがっておル あがってそこにある 段位が高くなった
段を あげるてくる あげていく あげてしまう
   あげるている あげておく あげてある 段位を高くした
段を あがってくる あがっていく あがってしまう
あがっている あがっておく あがってある コノ段ハあがったことがある
花が 散ってくる 散っていく 散ってしまう
散っている 散っておル 散ってそこにある 花がおちている
花を 散らしてくる 散らしていく 散らしてしまう
   散らしている 散らしておく 散らしてある


逆語序〈階段・段階〉〈道路・路道ロトウ〉


keyword;動詞文法