ルーブル美術館におかれたガラスのピラミッド

  4月に放送大学を流していたら、ルーブル美術館に最近突然おかれたガラスのピラミッドの下にはフィリップ二世(1165 - 1223)の築城した城郭があったということだった。チラッとみえた図面によると四隅に大きめの塔がすえられ、四つの壁には小さめの双塔が配置されていた。すなわち12の尖塔を持つ城郭様式が下層にあると言うのがフランス文化圏の前提だと言うことだ。
  ガラスのピラミッドは 『ダ・ヴィンチ・コードダン・ブラウン』でも重要な小道具だったが、今一、日本人には重要性の必然が見えなかった。だが、この図面によれば、この城は「4*4」のパターンによっている。当然含意は「四福音書」につながり、さらには四つの方位、あるいは四つの季節、さらには12ケ月を含意する。

4*4=16=4+12

  また数象徴16は、古代エジプトのhorus神の数象徴にまでつながる。 『古代文字が書ける、読める、描ける;明日香出版社』によれば「ホルス神の完全なる目」は以下の数象徴を担っている。

1≒1/2+1/4+1/8+1/16+1/32+1/64

  ここでは1/64に欠けているわけだが、いつかこの矛盾も溶ける日がくるであろう。現在の我々が教化されている整数単位の世界では以下の等式が重要である。すなわち面積と立体容積を単純な整数で関連付けている。

4*4*4=64=8*8

ここで導かれる数象徴8は、これも放送大学からの受け売りによると中世ヨーロッパでは未だ全身浴による洗礼式が一般だった時代には八角聖堂に井戸なり洗礼浴槽が置かれていたらしい。もちろんイタリアの古い町では教会堂とははなれたところに八角聖堂や公共井戸屋が見られるらしい。
    このことが現代日本人にとって重要なのは、我々の識字文化は5*5を古層に従えていることまでは分かっていることとの対比においてである。たとえば、古今集では数象徴は50や1000が使われている。だが、これらを陰陽五行とだけ関連付けて満足すべきではない、という妄想を追い払うことができないのである。

5*5*5=125=1000/8

  「七曜 十二ケ月の成り立ち; http://homepage2.nifty.com/midoka/papers/nanayou.pdf 」の続きになるのだが、ここまではMSチャートを引きついだエクセルでずっと思考を積み重ねてきたのだが、もっと具体的なイメージがないと、ここから先に思考を積み上げることができないように感じているわけである。
    たとえば『源氏物語』における六条御所の間取りは数学でいう第一象限に夏、第二象限に冬、第三象限に秋、そして第四象限に春を配している。これは定説と考えて間違いのないようである。だが、「春夏秋冬」という四字熟語で教化されているわれわれには、これを素朴に受けいれるのは難しい。中国における春秋時代以前に殷夏あるいは夏冬の時代があったと仮構してもまだ腑に落ちないのである。