でこぼこどうげん 


   日本語でも英語でも、そしてたぶんどこの言語でも見られるのが富貴卑賤を象徴する語彙は同源という現象である。だが、こういう現象は金持ちと貧乏人や社会階層の上下などの人々も元をたどれば氏・出生が同じということを含意しやすいので規範言語では封印されてきている。
 そのことを踏まえない語源研究はある種のひずみが生じやすい。だが、一方でこういうことをあまりに強調すると「味噌も糞も同じ」といったあまり芳しくない社会観念を醸成しやすい。
    なにか使いやすい term がないか考えてきて、日本語では〈ぼこぼこにしてやる〉という表現が実は〈でこぼこにしてやる〉という意味であることに着目して、この term 「凸凹同源」を仮構してみた。


   なお、term には学術用語と専門用語という言い換えが可能であるように思われる。だが、かつての学識経験者にかわって最近では専門家会議なるものが自民党政権末期から根拠のない政治判断の正当性を担保する道具としてよくつかわれるようになっているので、学術用語をあてる方が適切であるように考える。
   いずれにしても二字漢字語である「用語」は四字漢字語「用字用語」あるいは和語「用字つかい・用語つかい」に復元して使った方が間違いが少ない。
   二字漢字語「学術」については、大学の学科名と家元制度で支えられるいろいろな道術の名前を網羅しておく思考習慣が求められる。以下。
・法律、行政、司法、医学、工学、光学、物理学、化学、地学、などなど
・戦術、算術、天文術、柔術、剣術、呪術、などなど、