数432と60進法

   書棚の整理を始めて、『失われた文明;A.コボルスキー』を手にとった。中山一郎氏の訳になる。いわゆるアトランティス関係の書ということになる。著者はモスクワのインド考古学の研究者だという。
    その中に「隠された知識」という項がある。著者の立場は隠されたものは意図された隠しであり、暗号だという立場であるが、筆者は組語〈暗号・暗喩・暗黙知〉は一体のものであり、それは文脈によって違うものとして〈書き手・読み手〉が分別していくものだという立場である。
   ともかく、そこではシュメールで隠された数として星空の回転周期25920年が取り上げられている。メモしておこう。
・25920=12960*2
・六十進法における60は「ソス」と呼ばれた。
・25920=432*60

   いろいろな部族・部派における〈432〉の含意は以下。
・古代インドの叙事詩『マハバーラタ』 ; 宇宙の周期は432万年
・バビロン神官ベロッソス ; 洪水以前の帝王の君臨期間43万2千年
アイスランド叙事詩 ; 神々と悪魔たちの戦争で540のドアから800人の戦士、合計43万2千人が出てくる
バカラの例 ; 省略

    さて、ここでずっと考え続けてきた〈雷神・風神〉について数象徴との関連ができてきた。これは以前川崎真治の著書でみたように記憶しているのだが、今手元の書物では確認できなかった〈シュメール文字X=15〉を使う。以下の通り。

60=X*4=(XX)の二段組み ⇔ 漢字〈田〉の上下左右に線がはみ出た形

当然、こう導けば以下の式も導けるはずであるが・・・・・・。

数象徴60 ⇔ 漢字〈田〉 ⇔ 雷

    ところが『司馬遷の「史記」をこえた日本の史記;川崎真治』には雷神が登場しない。以下p67.
・60 天の神
・55 天神の妻
・50 風の神
・45 風の神の妻
・40 地の男神
・35 地の女神
・30 月の神
・25 月の神の妻
・20 太陽神
・15 金星女神
・10 嵐の神
・ 5 火山の女神

    だが、シュメールでも雷神は存在した。とすれば60進法とはむしろ〈60・0〉を〈雷神・天神〉とおいた象徴系と考えるのが穏当であろう。もともと大事なのは60*6=360によって年周の日数を得ることにあったわけでそれを数学上の対数指標に移し替えたのだとしたら、60には最大数と無数の二つの象徴が含意されるのが必然であろう。
    もちろん、イメージ象徴では一つの外延に二つの意味を与えるというのは民衆教化の上からはあまり好ましい選択ではない。受け入れられにくいからである。とすればとりあえず隠すとしたら、どういう工夫が合理的であろうか。
   一番手っ取り早いのは
・10 嵐ラン神⇒雷ライ神
・0         零レイ
・6         六リュウ


   もう一つ考えられるのは、以下だが今はあまり好きではない。

54=60−6 ⇔ 雷神
27=30−3 ⇔ 雷神の妻


  いずれにせよ、以下の式が成立するとすれば
・60 ⇔ 田
以下の式が成立する可能性も視野に入ってくる
・30 ⇔ 中
・30 月の神 ⇔中 ⇔虫
・虫 ⇔ 虹 ⇔ ⋂ ⇔ つごもり月 ⇔ 25 ⇔ 月の神の妻