「ひらがな」か「草かな」か

   今朝の朝日新聞にも日経新聞にも「最古級のひらがな出土」との見出しがおどっていた。出稿は京都市考古資料館。だが、ホームページでは「墨書土器(仮名墨書も含む)」とある。そうでしょう。「ひらかな」というのは中世以降にでてきた固有名であって、正確さを欠く。
        事実、朝日新聞の写真からは漢字を取り出すことができる。「計」「乃」「多」「万」「与」「千」「数」「比」「志」「水」「方」など。一方、現在学校で習うひらがなもみつかる。「い」「あ」「く」「ら」「し」「れ」「と」「ち」「は」「れ」。
    また、興味深かったのは、数学記号「∖」あるいは漢字部首「乀」に似たものを「キ」と読んでいたことだ。これは『五十音図の話;馬渕和夫』によると1095年といわれる「反音作法;明覚;1095」に出てくるのが「乀」で、これは明覚への反論書『悉曇反音略釈;興福寺兼朝;1166』には「幾」として収載されている。


    ともかく、事実は右大臣・藤原良相(よしみ;813-867)の屋敷跡から裏に仮名のかかれた直径15cm弱の土器(カワラケ)が多数みつかったということである。







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