音幻

    「音幻」という言葉は幸田露伴の造語のようだが、このブログではじめて使ったのは以下。
「「通鼻音・ん」と「音便の訛音」 http://d.hatena.ne.jp/midoka1/20061008
     当時は自分が何をしたいのか、何が不満なのか、いっこう分らなかった。思考はどんどん拡散し、自らの自らに対する社会的評価はどんどん落ち込んでいった。浮上のきっかけは源順の「あめつち沓冠歌48首」だった。以下。
「別解 「阿女都千ノ歌  http://d.hatena.ne.jp/midoka1/20090305」 
「もう一つの いろは;あめつち http://homepage2.nifty.com/midoka/papers/JSKR10.pdf
    これで自分の受けてきた国語教育や日本語学会の、うすうす感じていた最大の欠陥が、「文脈軽視」というよりも技術屋の欠陥である「要素還元」よりももっとヒドイ「思い込み還元」であるという確信を再度、認識した。あらためて2006年当時の自分の文章を読み返してみると、問題の確信を捉えていたことにおどろく。
    だが、方法「音幻」自体になれていなかったし、語末音にまでは気が回っていなかった。今回上記見出しをさらりと書けるのは7年半の自己研さんの成果だ。


ここから本論
   上記三語のうち正しいのは「ポン引き」で他の二つは間違っている。「振り込みサギ」はすでに警察庁によって「振り込め詐欺」が正語として認定されている。ではなぜ、「ドンびき」は正しくないのだろうか。簡単にわかる方法が「主語をおぎなう」という日本語でも英語でも便利な「伸長屈曲法」。やってみよう。
・悪い人が「振り込め」といってきたのにだまされて「振込み」をしてしまう事件
・へぼ芸人が客の「気をひく」つもりで、つまらいないギャグをいったので皆が「どーっとひけ」てしまった。
・客ひきがすることをなぜか「ポンびき」という。たぶん「客一本」ごとに報酬を「店からひきだせる」のであろう。




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