オミナエシ
数年前から和歌のことが気になってきたので昨年偶然見つけたオミナエシ、フジバカマを求めて庭に植えたところ今年になって盛りになった。
オミナエシは本当に背丈くらいに大きくなり、株も増えていた。これが河原中に咲いたら万葉集の歌さながらの景色になると納得した。しかし一方で、この花って、一時期、外来種として目のカタキニされたセイタカワダチソウにそっくりと思った。そして字書を見たらオミナエシの項に「アワソウ」とあった。
だったら庶民が「アハサウ」と読んでいたものを、遍昭さまあたりが「オミナエシ」と言い換えた可能性もありではないか。イメージがあまりに違いすぎる。
万4297 をみなへし、秋萩しのぎ、さを鹿の、露別け鳴かむ、高圓(たかまど)の野ぞ
万4320 ますらをの 呼びたてしかば さを鹿の、胸分け行かむ 秋野萩原
古今1016 秋の野に なまめきたてる 女郎花 あなかしがまし 花も一時(僧正へんぜう)
古今1017 秋くれば 野べにたはるる 女郎花 いづれの人か 摘まで 見るべき(読人しらず)