ロムルス数とヌマ数とユリウス数

拙著『狂歌絵師北斎とよむ古事記万葉集』の論考の土台となった数章であるロムルス暦とヌマ暦についてwikiで混乱があるようなので執筆時に参照した国立天文台の現在の記述をコピーしておく。

ロムルス

ロムルスはローマを建国したとされる伝説の王です。
1年はMartiusから始まる10か月 (304日=8日/週×38週) からなり、残りは冬の期間として数えないという変則的なこよみだったとされています。
月の名前や日数に今も名残が見られます。

ヌマ暦(共和国暦)

ヌマはロムルスに続く古代ローマの王です。
ヌマ暦ではロムルス暦にIanuariusとFebruariusを加えて、12か月となりました。
合計日数は355日、うるう月 (mensis interclaris) を用いて平均日数を太陽年に近づける点で、太陰太陽暦に似ています。
しかし、うるう月は2年に1回22日か23日増やすというものであり、月の満ち欠けにマッチするものではありません。
うるう月の挿入がうまくいかず混乱を招いた後、紀元前45年からはユリウス暦が導入されました。

ユリウス暦

ユリウス暦は、ローマの英雄ユリウス・カエサル (英語名ジュリアス・シーザー) によって紀元前45年から導入された太陽暦です。
ユリウス暦の1年は、通常は365日、4年に1回366日のうるう年を挿入します。
1年の長さは平均、(365+365+365+366)÷4=365.25日となります。
紀元8年以降については、4で割り切れる数字の年がうるう年です。
それ以前については、4年に1回のはずのうるう年が3年に1回挿入されるという混乱がありました。