左手に長いもの、右手には短いもの

   今日の朝日新聞には法隆寺の国宝、四天王の解説が載っていた。四体とも左手に長いもの、右手には短いものを持っている。広目天だけは巻物であるから一見すると短いが、当然長い紙の巻物であるからやっぱり長いものである。長い棒はここではサヲではなく戟(げき)と書かれている。それでも、これはエトルリアの巫女の像と符丁する。http://d.hatena.ne.jp/midoka1/20070812
    さらに勉強になるのは、像の配置図が載っていることである。これによると北を守るべき多聞天は北東(丑寅)に配置され、西を守るべき広目天は北西(戌亥)におかれている。南を守るのは増長天であり、南西(未申)にいる。南東(辰巳)におかれる持国天だけが牛頭の邪鬼の上に乗り、他は猿様の邪鬼の上に乗っている。だが、持国天と対をなすはずの増長天は短い直線の一本角の邪鬼の上にいる。牛頭は二本の巻角であるから当時の人にとってはすぐわかる含意があったはずである。
     さらに邪鬼の拳(けん・こぶし)の様式もそれぞれ特徴があるようであるが、新聞からははっきりしない。