助詞〈は・ば・わ〉

  以前ソシュールの研究者の小林英夫氏が主格の〈ワ〉を使っていたのを思い出した。出典を確認できていないので、もしかしたら他の人だったかもしれないが、現在の正書法は係助詞〈ハ〉と条件節詞〈バ〉の弁別しかしていないのだが、思惟文における「人称主語」あるいは「他動詞文の主語」については助詞〈ワ〉を正書法においても弁別した方が日本語にメリハリがついて分かりやすくなるのではないかと考えてみた。以下。
a この本ハ、面白い。(独語)
b この本ハ、たいそう面白い。(メッセージ性あり)
c この本についていえバ、面白い。(非文;発語の状況が不明)
d この本についていえバ、たいそう面白い。
e この本ならバ、面白い。(メッセージ性あり)
f この本ならバ、たいそう面白い。(メッセージ過剰)


a 私ワ、この本ヲ、面白いと思う。
b 私ワ、この本ハ、たいそう面白い、と思う。
c 私ワ、この本についていえバ、面白い、と思う。(非文;発語の状況が不明)
d 私ワ、この本についていえバ、たいそう面白い、と思う。
e 私ワ、この本ならバ、面白い、と思う。
f 私ワ、この本ならバ、たいそう面白い、と思う。


a 太郎ワ、この本ヲ、面白いと言った。
b 太郎ワ、この本ハ、たいそう面白い、と言った。
c 太郎ワ、この本についていえバ、面白い、と言った。(非文;発語の状況が不明)
d 太郎ワ、この本についていえバ、たいそう面白い、と言った。
e 太郎ワ、この本ならバ、面白い、と言った。
f 太郎ワ、この本ならバ、たいそう面白い、と言った。

さらに詳細な意味については以下のp 4 とp35 を参照のこと。http://homepage2.nifty.com/midoka/papers/seidakon.pdf