天の川は川でなく円環だ

『天文の世界史;廣瀬匠』のp190にある記述はいろいろおもしろい。

同書ではプトレオマイオス(ad.83 168年頃エジプトのアレキソンドリアで活躍)はすでに気が付いていたし、ビールーニー(973 1048;アラビア)も気が付いていたとある。さらにそれ以前にアリストテレスは天の川を天体とは考えずに「月下界」と呼んでいたそうです。

その円環が現代の天文学でいう全天周という意味であるかどうかは本当はわからないと思います。

というのは北天で天の川を観測した場合はケフェウス五角形とカシオペアの胸形が北闕を軸に回転形になるからです。毎晩これが繰り返されるとすれば両端がつながっているはずだと考えるのは人情だからです。

また、本書に限らず天文通史では「天の川を挟んだ織姫牽牛両星」にふれるものはあっても、

天の川で仲良く並ぶケフェウス・カシオペア夫妻王に触れるものがないのは残念だと思います。

東洋の十干だけでなくローマのロムルス暦は110ケ月だったわけで、

この夫妻星座が夜空に君臨していた時代を思い起こしておきたいものです。






















西



上天





ケフェウス/五角形



カシオペア/胸形星



北闕



カシオペア/胸形五星



ケフェウス/五角形



北の地平